電子書籍(電子ブック)とは、スマホ・タブレット・パソコンなど電子デバイスで読める本のこと。
電子書籍には紙の本とは異なる特徴がたくさんあります。
それらの特徴には、純粋なメリット・デメリットといえるものもありますが「良い面・悪い面を併せ持ったもの」もあるんです。
そこで本記事では、
たくさんある特徴を「電子書籍のメリット/デメリット」として単純に分類するのではなく、
- 特徴の具体的な説明
- メリットと言える面→それは何がうれしいのか
- デメリットと言える面→それは何が問題なのか
といったことを交えながら、特徴ごとに解説していきます。
この記事を読めば、電子書籍とはどういったものなのか、つまり「電子書籍の基本」が分かるはず。
基本がわかれば、電子書籍の購入サイトや読み放題サービスを選びやすくなりますし
電子書籍をうまく活用できれば、紙の本で抱えていた問題を解決する手段が増えます。
電子書籍で、読書ライフを豊かにしていきましょう。
電子書籍の10の特徴|メリット面とデメリット面
- スマホ・タブレット・パソコンなどマルチデバイス対応
- 防水スマホ・タブレットを使えば、お風呂で本が読める
- 紙面や文章が電子デバイス用に最適化されている
- 文章を検索する・コピーする、マーカーを引くなどが簡単にできる
- ダウンロード保存して、オフライン環境でも本が読める
- 書店へ行かなくても、ネットで本を探して買うことできる
- 場所を取らない、重くない、かさばらない
- 文章を音声で読み上げてくれる
- 紙の本よりもお得に購入できる
- 電子書籍が定額で読み放題になるサービスがある
電子書籍が持つこれらの特徴は全てメリットの面が大きいですが、デメリット面も合わせ持っています。
順番に見ていきましょう。
特徴①|スマホ・タブレット・パソコンなどマルチデバイス対応
電子書籍はデータであるため、色々な電子端末で読むことができます。(マルチデバイス対応)
マルチデバイスで利用するパターンはいろいろあります。
- スマホ1台・タブレット1台・パソコン1台
- スマホ3台・タブレット1台
などなど、同じ種類の電子端末を複数使ってもマルチデバイスです。
具体的には、スマホ・タブレットに電子書籍アプリを入れたり、パソコンで専用リーダーソフトを使って読みます。
メリット①|状況に合わせて快適な読書ができる
マルチデバイス対応の1つ目のメリットは
場所・時間・気分に合わせて、快適な読書ができるようになること。
スマホ・タブレット・パソコンそれぞれに本が入っているようなものなので、各デバイスが手元にあれば、いつでもどこでも本が読めます。
例:
通勤電車の中ではスマホで読み、自宅ではソファにゆったり座りながらタブレットで読む。
さらに、雑誌や新聞などを大きな画面で読みたくなったらパソコンで読む。
メリット②|デバイスを変えても続きから読める
マルチデバイス対応の2つ目のメリットは
デバイスを切り替えても続きから読めること。
自分でブックマークを複数つけることもできますし、付けなくても途中まで読んだところが自動で保存されます。
読書状況がデバイス間で共有されているからです。
例:
スマホで読んだ途中のページにブックマークをつける。タブレットに切り替えて、続きから読む。
タブレットでブックマークし忘れても大丈夫。
最後に読んだページが自動で共有され、続きからパソコンでも読むことができる。
メリット③|1冊の電子書籍を複数人で読める
マルチデバイス対応の3つ目のメリットは、
別々のデバイスを使えば、1冊の電子書籍を複数人で読めること。
1つのアカウントで複数のデバイスを「本を読むデバイス」として登録できるので
本の購入金額は1冊分なのに、まるで数冊の本を買ったかのようにみんなで読めるんです。
例:
自分はスマホで読み、お母さんはタブレットで読み、お父さんはパソコンで読む。
具体的な方法は
各デバイスで電子書籍アプリにログインしてから、本を読むデバイスとして登録する。
そして、購入した電子書籍をそれぞれダウンロードして読む、といったところ。
ただし、電子書籍アプリやサービスによっては
複数のデバイスで同時に読むことができなかったり、そもそも複数のデバイスが登録できなかったりする場合もあります。
また、各デバイスでアプリから正式にダウンロードするのならOKですが
自分で電子書籍をコピーして各デバイスに保存したり、違法コピーされた電子書籍をダウンロードするのは「法律違反」になります。
その点は十分に注意しておきましょう。
電子書籍の違法コピーについては、後述する特徴「場所を取らない、重くない、無くさない」のデメリット「貸し借りが難しい」のところにも書いているので、参考にしてみてください。
デメリット|特になし
マルチデバイス対応のデメリットは、考えてみましたが特にありませんでした。
特徴②|防水スマホ・タブレットを使えば、お風呂で本が読める
メリット|快適なバスタイムを過ごせる
防水のスマホやタブレットを使えばお風呂で電子書籍が読めるため、快適なバスタイムを過ごせます。
例:
半身浴をしてゆっくりとお風呂に浸かりながら、小説を読む。
お風呂でできるストレッチの情報が載った雑誌を読みながら、実際にストレッチする。
このように「お風呂でも本を読みたい」という読書好きの人はもちろん、「お風呂が大好き」という人にとっても快適なバスタイムを過ごすことができるわけですね。
デメリット|防水性能が高いスマホを使う必要がある
お風呂でスマホを使うのは、スマホを湯船に落として水没させてしまうリスクもあります。
防水スマホとひとことで言っても、防水性能の高さは機種によって大きく違います。
防水性能が高いスマホなら、湯船に落としても問題ありません。
しかし防水スマホの中には「水をかぶる」「強い水流を浴びる」といったことには耐えられても「水没する」には耐えられないスマホもあります。
湯船にボチャンと落とすとアウト、ということですね。
スマホの防水性能の高さは「IPX」というコードで判別できます。防水等級とも言います。
「IPX5」「IPX7」といったように、後ろに0〜8の数字が付き、その数字が大きいほど防水性能が高いです。
「IPX7」もしくはそれ以上の「IPX8」の防水性能を持つスマホを選びましょう。
ちなみに、「IPX7」は30分間水没しても問題ない、という防水性能の証です。
「IPX8」はスマホメーカーによって基準が異なりますが「IPX7」以上の防水性能があります。
KDDIのサイトに防水等級についての詳しい説明がありましたので、気になる場合は見てみてください。
防水・防塵の等級『IPX』とは? スマホを例に注意事項や保護基準を紹介|TIME&SPACE by KDDI
特徴③|紙面や文章が電子デバイス用に最適化されている
電子書籍は、スマホやタブレットの画面の大きさに合わせて、紙面のレイアウトや文字サイズが自動で調整されます。
メリット|小さい画面でも読みやすい
電子デバイスに最適化されているメリットは
スマホなどの小さい画面でも読みやすくなること。
紙面を拡大表示するのもカンタンな操作でできますし、
電子書籍のアプリによっては、文字サイズや行間を自分好みに調整できるものもあります。
また、マンガの電子書籍の場合、画面に1ページ分を丸ごと表示させるモードと、マンガのコマ割りに合わせて画面をスライドさせるモードに切り替えられることもあります。
デメリット|電子デバイスに最適化されていない本もある
電子デバイスに最適化されていない本もある、ということがデメリットと言えますね。
電子書籍は、もともとは紙の本として出版された本であることが多いです。
「紙の本を画像としてスキャンする」という方法で電子書籍へと変換された場合、スマホなどの小さい画面では読みづらくなっています。
紙面の拡大表示は可能ですが、文字サイズや行間を調整することはできません。
最適化されていない電子書籍は、「固定レイアウト」とも呼ばれます。
電子書籍ストアの説明文に「この本は固定レイアウトです、小さい画面では読みにくい場合があります」といった注意書きが記載されていることがありますので、買う前に確認しておきましょう。
また、注意書きがなくても、試し読みをしてみる方法でも確認できます。
固定レイアウトの電子書籍は、ページをいくつか見れば「紙の本をスキャンしただけだな」とわかることもあります。
Amazonなどでは「電子書籍のお試し版」を実際にダウンロードして読むこともできますね。
特徴④|文章を検索する・コピーする、マーカーを引くなどが簡単にできる
一つ上の項目で説明した「電子デバイス用に最適化されている」という電子書籍は、スマホなどの画面内で文章を選択できるようになっています。
そのため、次のようなことが楽にできます。
- 文章を検索する
- 文章にマーカーを引く
- 選択した文章をコピーする
- 気になる単語を辞書機能で調べる
メリット|効率よくスムーズに読書ができる
本の中身から特定のキーワードで検索することができるため、気になるところだけの拾い読みが楽々できます。
文章にマーカーを引く時も、スマホの場合は文章を指で選択して、マーカーボタンを押すだけ。
レッド、ブルー、イエロー、グリーンといった好みの色でマーカーを引くこともできます。
本を読みながらノートを取るときも、文章をコピーして、メモアプリに保存するだけ。
紙の本を見ながらノートに手書きするよりもずっとスムーズです。
さらに本の文章で意味がわからない単語があっても大丈夫。
スマホやタブレットに標準で内蔵された電子辞書やネット検索を使って、気になる単語の意味をすぐに調べることができます。
読書を中断してしまうことがなくなります。
以上のように、紙の本に比べてとても利便性が上がっているわけですね。
△デメリット|人によっては頭に入らないことがある
デメリットというには少し違いますが、
「手を使ってマーカーを引いたり書き込んだりする方が頭に入りやすい」という人にとっては、電子書籍の便利さは逆に使いにくいかもしれません。
メンタリストのDaigoさんも、こちらの記事で「紙の本と電子書籍の頭の残りやすさ」について解説されています。
紙の本 VS 電子書籍、頭に残りやすいのは意外にも…
そちらによると、
紙の本と電子書籍の記憶への残り方としては時間に余裕がある場合にはあまり差がなく、時間に余裕がない場合には紙の本の方が有利とのこと。
何かを勉強するため&あまり時間が残されていない場合は、紙の本にした方が良いというわけですね。
それから集中力の問題になりますが、スマホやタブレットは「本を読む以外」のこと、つまりネットサーフィンやゲームなどもすぐにできてしまいます。
「電子書籍を読むつもりだったのに、いつの間にかスマホゲームをしていた。」なんてこともよくありますから、その点は注意が必要ですね。
特徴⑤|ダウンロード保存して、オフライン環境でも本が読める
メリット①|オフライン環境でもスマホで本が読める
電子書籍は、スマホやタブレットにダウンロード保存して、インターネットに接続していない状態でも読むことができます。
山奥のキャンプ場などネット回線が繋がらない場所でも、事前にスマホに電子書籍をダウンロードしておけば、大丈夫。
かさばる紙の本を持ち歩かなくても、スマホがあればどこでも本が読めるわけです。
メリット②|Wi-Fi回線でダウンロードしておけば通信量を節約できる
ダウンロード保存のもう一つのメリットは
インターネット通信によるデータ通信量を節約できること。
電子書籍をWi-Fi回線のあるところでダウンロードしておけば、読むときは通信量を消費しません。
デメリット①|モバイル回線でダウンロードすると通信量が多い
事前にダウンロードするのが良いからといって、スマホなどのモバイル回線でダウンロードをしては意味がありません。
データ通信量を消費してしまいます。
もちろん、動画再生などに比べるとデータ通信量は少ないですが、それでも電子書籍1冊あたり、1MB〜200MB程度の通信量が必要になります。
テキスト情報だけの小説などであれば通信量が少ないため、あまり気にしなくても大丈夫です。
注意が必要なのは、高画質のフルカラー画像がふんだんに掲載されている雑誌。
モバイル回線でダウンロードすると、想像以上にデータ通信量を消費してしまいます。
電子書籍のダウンロードは、Wi-Fi回線に接続している状態で行いましょう。
モバイル回線を使いながら電子書籍を読むときは、通信量に気をつけておくことが必要です。
デメリット②|ダウンロードできる冊数が制限されている電子書籍もある
電子書籍ストアによっては、読みたい本全てをダウンロードできない場合もあります。
「1度にダウンロードできる冊数は10冊まで」といった制限がかかっていることもありますので、利用前に確認しておきましょう。
ただし、たいていは10冊も同時に保存できれば十分なことが多いため、あまり心配する必要はありません。
特徴⑥|書店へ行かなくても、ネットで本を探して買うことできる
電子書籍はインターネット上で検索・試し読み・購入ができるため、わざわざ書店へ足を運ぶ必要がありません。
メリット|本を購入するまでの時間や手間といったコストを減らせる
インターネット上の電子書籍ストアで、
- 本を探す
- 本を試し読みする
- 本を買う
といったことをする必要がないため、書店へ行く交通費や時間といったコストをカットできます。
本を探して書店を渡り歩く必要もなく、書店員さんに尋ねて待つ必要もありません。
また、電子書籍ストアでは「試し読み」も可能です。
本によって試し読みできるページ数はバラバラですが、おおよそ10〜30ページぐらいは試し読みができます。
購入前に電子書籍の中身を少し知ることができるため、安心して買えますね。
△デメリット①|紙の本のように全てのページを試し読みできない
これはデメリットといっていいのか微妙ですが、一応、書いておきます。
電子書籍は、紙の本のように購入前に全てのページをパラパラと試し読みできません。
考えてみると当たり前のことですね。
電子書籍の全てのページを試し読みできるようにしてしまうと、それはもはや「本の無料配布」と同じです。
デメリット②|新しい本との偶然の出会いが少ない
書店に行かなくても本が買えることは、良い点ばかりではありません。
たとえば紙の本を買いに書店に行くと、本棚にずらっと本が並び、平積みされた人気の本や、背表紙を眺めることができます。
書店に入ったときには読みたい本が決まってなくても、本を眺めているうちに「普段は読まないジャンルだけど良い本」に出会えたりしますよね。
電子書籍の場合は、そんな「新しい本との出会い」が少なくなりがちです。
理由は、「自分が読みそうな本」もしくは「いつも読んでいるジャンルの本」ばかりが表示されてしまうから。
電子書籍ストアでは、パーソナライズといって、ユーザーひとりひとりの趣味・嗜好に合わせて、オススメの本を表示してくれる機能があります。
また、本の商品ページを見たときにも「この本に興味がある人は、別のこんな本も見ています」といったように、自分と同じような好みの別のユーザーの行動なども、参考として紹介してくれます。
こういった「自分好みの本が見つけやすくなること」はとても便利な反面、
書店で何気なくやっていたような「普段見ないジャンルの本棚も目に入る」ということが起こりません。
もちろん、電子書籍ストアの中には、たくさんの本を見れるように
- 本のベストセラー、人気ランキング
- ストアのオススメ特集
といったページがあったりしますが、まだまだ書店には及びません。
個人的には、この「新しい本との偶然の出会いが少ない」というデメリットは、なかなか大きいと思っています。
大型書店に行き、いろいろなジャンルの本棚を眺めながら、ふと気になったタイトルの本を手に取る。
目次をざっと見たり、パラパラと流し読みをしたりする。
そうやって、新しいジャンルの本を開拓することも読書の楽しみの一つですからね。
解決策を無理やり挙げるとするならば
書店で気に入った本のタイトルをメモして、電子書籍ストアで検索して購入する、といったところでしょうか。
そこまでするなら紙の本をその場で買った方が良いかもしれませんが。
特徴⑦|場所を取らない、重くない、無くさない
電子書籍はデータですから、どんな大量の本があっても本棚を圧迫しませんし、持ち運ぶときも重さなどありません。
スマホに大量の本を入れて、外出中に複数の本を並行して読む、なんてこともできます。
メリット①|物理的なわずらわしさから解放される
たとえば旅行先で本を読みたいとき、何冊もの紙の本を持っていくと、荷物がかさばって重くなりますよね。
長期の旅行であればさらに多くの本を持って行きたくなるかもしれません。
電子書籍であれば、何十冊でも何百冊でも、スマホ一つで持ち運べます。
さらに電子書籍は「本を無くす、どこかに置き忘れる」といったことがありません。
スマホやタブレットの中にデータとして大量に保存しておける上に、読みたいときは電子書籍アプリで検索してすぐに読み始めることができますね。
スマホそのものを無くしてしまっても大丈夫。
電子書籍のデータは、電子書籍ストアのアカウントに購入履歴が残っているため、またダウンロードすることができます。
メリット②|片手でページをめくりやすい
紙の本の場合は両手を使って本を持つ必要があるため、たとえ文庫本でも、片手だけではページがめくりにくくなりますよね。
電子書籍の場合は、スマホやタブレットを片手で持ち、画面の端をタップしたり、左右にフリックする(滑らせる)ことで、次のページへ楽に進めることができます。
片手で本が読みやすいということは、本を読める状況や場所が増えるということ。
たとえば、満員電車の中。
ぎゅうぎゅう詰めで本を広げるスペースがなくても、スマホがあれば片手で新聞も雑誌も読めてしまいます。
ほかにも、キッチンで料理をしながらタブレットでレシピ本を読んだり、寝る前に歯磨きをしながらパソコンで小説を読んだり。
このように
これまで物理的に本を開けなかった状況や場所でも、電子書籍なら読書ができてしまうわけですね。
デメリット①|紙の本のように本全体をパラパラと読めない
電子書籍がデータであることのデメリットは
紙の本のように本全体をパラパラとめくって、全体像を把握することが難しいこと。
電子書籍の画面表示は基本的に、1画面につき1ページ、見開きであれば1画面につき2ページです。
ページ数が多い本の場合、中身をざっと知りたい時には何度も画面をスライドさせて、ページをめくっていく必要があります。
けっこう大変です。
電子書籍ストアの中には、本全体をざっと読めるように「ページをスムーズに進める機能」を持っているところもありますが、それでも紙の本には及びません。
本を流し読みで読むことが多い人は注意しておきましょう。
電子書籍を読んだことがない場合は、スマホやタブレットで電子書籍ストアへアクセスして、読みたい本の「お試し版」を読んでみると良いですね。
デメリット②|貸し借りが難しい
電子書籍がデータであることの2つ目のデメリットは
誰かに貸すことも逆に自分が借りることも難しい、ということ。
電子書籍は、購入したストアのアカウントに紐づけられています。
そのため、購入者が登録したスマホやタブレットだけで読む必要がある場合が多いです。
電子書籍データを別の人のスマホにコピーすれば読めるのでは?と思いますが、それはNGです。
著作権侵害という立派な法律違反になります。
電子書籍の違法コピーによる損害は、世界でも大きな問題になっているようです。
全米作家協会が、「インターネットで配布される書籍の違法コピーにより、出版社が失う売上は年間3億ドル(約326億円)に達している」と発表した。イギリス知的財産庁も、2017年に英国で消費された全ての電子書籍のうち、400万冊が違法コピーであったと述べている。
出典:年間325億円の損害!電子書籍の違法コピー | オモイカネブックス
電子書籍の中には、そういった違法コピーを防ぐために「コピーガード機能」というロックがかかっている本もあります。
何にしても、購入した電子書籍をコピーして貸し借りをすることはできない、ということですね。
では、電子書籍の貸し借りは絶対にできないのか?というと、そんなことはありません。
上の方で説明した、電子書籍のマルチデバイス対応のメリット「1冊の電子書籍を複数人で読める」を利用すれば大丈夫です。
本の貸し借りとはちょっと違いますが、複数人で同じ本を読めます。
具体的な方法をもう一度書くと
各デバイスで電子書籍アプリにログインしてから、本を読むデバイスとして登録する。
そして、購入した電子書籍をそれぞれダウンロードして読む、といったところ。
ただし、電子書籍アプリやサービスによっては
複数のデバイスで同時に読むことができなかったり、そもそも複数のデバイスが登録できなかったりする場合もありますので、注意が必要です。
特徴⑧|文章を音声で読み上げてくれる
電子デバイスに最適化されている本であれば、本の中身(テキスト)を読み上げてくれる「読み上げ機能(朗読機能)」が使えます。
読み上げ機能は、iPhoneでもAndroidでも利用できます。
それぞれ操作画面の画像付きでわかりやすく説明されているサイトがありましたので、参考にしてみてください。
iPhone
iPhoneの読み上げ機能で電子書籍を簡易版オーディオブックにする方法 – ITmedia Mobile
Android
Androidで音声読み上げ機能(TTS)を使うための基本設定~動作テスト | TeraDas
さて、「文章を音声で読み上げてくれる」ことのメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット|視覚に頼らなくても本が読める
電子書籍の読み上げ機能は、本を聴くという新しい読書スタイルを実現できます。
たとえば寝る前に小説が読みたいとき「目が疲れていて液晶画面を見るのが辛いな」と思えば、部屋の照明を消した状態でも本を読む(聴く)ことができます。
読み上げ機能を使えば手がふさがらず視覚も使わないので、別の作業をしながら本を読む「ながら読書」もはかどりますね。
デメリット|読み上げ機能が使えない本もある
電子デバイスに最適化されていない本の場合、紙面が画像として保存されるため、テキストの読み上げ機能が使えません。
電子書籍を、読み上げ機能を使って読む(聴く)目的で買う場合、買う前に読み上げ機能が使えるかどうかを確認しておきましょう。
読み上げ機能が使えるかどうかは、その電子書籍が「固定レイアウト」かどうかでわかります。
「固定レイアウト」とは、電子デバイスに最適化されていない電子書籍のこと。
電子書籍ストアの説明文に「この本は固定レイアウトです、小さい画面では読みにくい場合があります」といった注意書きが記載されている場合は、読み上げ機能が使えませんので、注意して見てみましょう。
また、注意書きがなくても、試し読みをしてみる方法でも確認できます。
固定レイアウトの電子書籍は、ページをいくつか見れば「紙の本をスキャンしただけだな」とわかることもあります。
Amazonなどでは「電子書籍のお試し版」を実際にダウンロードして読むこともできますね。
余談|オーディオブックという生音声の本もある
iPhoneやAndroidの電子音声による読み上げ機能を使うのではなく、実際に人が本を朗読した「オーディオブック」という本の形式もあります。
その名の通り、音声データの本ですね。
「オーディオブック」として販売されている本は、生身の人が朗読するという都合上、まだまだ電子書籍に比べれば数が少ないですが、ベストセラー本などは充実しています。
また最近は「本を聴く」という読書スタイルが浸透してきたため、オーディオブックのラインナップが急速に増えてきていますね。
「オーディオブック」の販売サイトとして有名なのは
Google Play オーディオブック
Amazonオーディオブック|オーディブル
といったIT企業の巨人が提供しているストアや、本の形式がそのままサイト名になっている
オーディオブック | audiobook.jp など。
試し聴きができるため、気になる人は各サイトでどんな本が配信されているのか見てみましょう。
なお、
Amazonオーディオブック|オーディブル
オーディオブック | audiobook.jp
などは、試し聴きだけではなく、オーディオブックが無料で1ヶ月ほど聴き放題になる「無料お試し体験」ができたりします。
詳しくはそれぞれの公式サイトを見てみてください。
特徴⑨|紙の本よりもお得に購入できる
電子書籍は、紙の本よりも価格が安くなっていることが多いです。
なぜ安くできるかというと、ユーザーに届くまでの中間マージン(手数料)がカットできているから。
紙の本の場合、ユーザーに届くまでは「出版社→出版取次(卸売の会社)→書店→ユーザー」という流れが基本です。
出版社と書店との間に卸売の会社が入るほどに中間マージンが必要になり、そのぶんが本の価格に上乗せされるわけです。
一方、電子書籍の場合、ユーザーに届くまでは「出版社→電子書籍ストア→ユーザー」という流れが基本です。
電子書籍ストアが、卸売の会社と書店の役割を一緒にしているため、中間マージンが必要なく、そのぶん電子書籍の価格を安くできる、というわけですね。
メリット|単純に、安く買える
メリットはそのまま、紙の本よりも安く買えることですね。
どれくらい安く買えるかというと
電子書籍ストアによって違いはありますが、おおよそ10%オフ〜100%オフで買えます。
100%オフ(無料)ってどういうことだと思うかもしれませんが、実際にあります。
たとえば、マンガの1巻だけ無料など。
1巻だけ無料で読んでみて、面白かったら続きが気になりますよね。
そして2巻以上が有料でも、続きが読みたいので買ってしまう。
と、そういう風に1巻が無料でも続きの本が売れれば、出版社や電子書籍ストアとしても、十分に売り上げになるわけです。
100%オフ(無料)というのは、電子データで原価(材料費・流通費など)が抑えられる電子書籍ならではですね。
また、マンガでなくても10%オフ〜100%オフの割引はあります。
電子書籍だけで出版している本の一部などは、100%オフというか0円で配信されている本もありますし、
電子書籍ストアの多くでは、一定の期間ごとに「50%オフセール」をやっていたりします。
割引だけではなく、5冊以上まとめ買いでポイント20倍といったポイント還元をしているストアもありますね。
こういった大幅な割引やポイント還元はマイナーな本に限らず、ベストセラー本や長年にわたって人気の名作など、数多くの本が割引されています。
この「紙の本よりも安く買える」というメリットは、電子データである電子書籍ならではの大きなメリットと言えますね。
△デメリット①|紙の本と同じ価格だった場合、人によっては損した気分になる
これはデメリットと言っていいのか微妙ですが、一応、書いておきます。
電子書籍の多くは紙の本よりも安く買えますが「紙の本と同じ価格」というものも当然あります。
そんな電子書籍を買った時、人によっては「電子データなのに紙の本と同じ価格なんて、なんだか損した気分」となるわけですね。
個人的に、その気持ちは良くわかります。
紙の本はただの情報が書かれた紙の束ではなく、紙質や装丁といった全部を含めて「紙の本」と言えます。
本棚に並べてコレクションアイテムにする人もいますね。
紙の本を買うことは、情報だけではなく本というアイテムに対してもお金を払っているようなものです。
それに比べると、電子書籍は単なるデータですから「情報だけにお金を払っている」と言えますね。
そのため、電子書籍が紙の本と同じ価格だと、損した気分になってしまうわけですね。
損した気分にならない、つまり後悔しないためのコツとしては、
電子書籍を買うときに「どこまで割引されていれば後悔しないのか」という自分なりの基準を決めておくこと。
基準はぼんやりとで大丈夫です。
ぼく個人の基準でいえば、
「30%以上が割引されていたら、面白くなかった本でも後悔しないかも。」といったところですね。
そこを基準として
「10%オフ程度だけど、いますぐ読みたいから買ってしまおう」とか
「そこまで読みたい本ではないから、50%オフセールになるまで待とう」とか
「紙の本と同じ価格だけど、スマホやタブレット持ち出して読みたいから買おう」といったように、必要や気分に応じて電子書籍を買っています。
こんな風に自分なりの基準をだいたい決めてから、柔軟に電子書籍を買うようにすれば、買った後に損した気分にならなくて済みますよ。
デメリット②|譲渡・売却ができない
電子書籍は、購入者のアカウントと紐づいている電子データですから、誰かにあげたり売ったりができません。
電子書籍で読んだ本を友達にオススメしたくても「もう読んだからあげるよ、面白いから読んでみて」なんてことはできませんし、
読まなくなった電子書籍を、家計の足しにするために売ることもできませんね。
電子書籍ストアのアカウントごと譲渡・売却すれば別ですが、アカウントは個人情報や購入履歴などがたっぷり詰まったものですから、現実的ではありません。
また、電子書籍のデータだけ取り出して売却するという方法は著作権侵害で法律違反ですから、それもやってはいけません。
このように、電子書籍には「譲渡・売却ができない」というデメリットがありますので、その点に納得した上で買うようにしましょう。
特徴⑩|電子書籍が定額で読み放題になるサービスがある
電子書籍には「紙の本よりもお得に購入できる」という特徴がありますが、さらにお得に読むための方法があります。
それが「電子書籍の読み放題サービス」です。
メリット①|定額で大量の本を好きなだけ読める
読み放題サービスは、定額サブスクリプション(定額で利用し放題になること)の一種ですね。
数百冊〜数万冊といった大量の電子書籍が、月額400円〜1000円程度で読み放題になります。
たとえば通常の電子書籍ストアで本を買って読む場合、本を1冊1冊買うたびにお金がかかりますが
読み放題サービスなら、何冊の本を読んでも定額です。
本1冊程度の金額で数百冊〜数万冊が読み放題になる、というのは紙の本だと不可能ですね。
あえて紙の本の読み放題サービスとして近いものを挙げるなら「ネットカフェ(マンガ喫茶)」でしょうか。
利用時間に応じた料金を払えば、置いてあるマンガが全て読み放題になります。
マンガのラインナップで言えば1万冊〜10万冊ぐらいであるため、電子書籍の読み放題サービスよりも多いですね。
しかし、仮に1000円の料金を支払った場合、利用できるのは3時間ほど。
読めても数十冊ほどでタイムアップとなりますね。
試しに「ネットカフェで1ヶ月間、マンガを読み放題で過ごすにはいくらかかるのか」という疑問を調べてみたのですが
「1ヶ月プラン:料金6万円」というネットカフェがありました。
もはや家賃ですね。
比べてみると、電子書籍の読み放題サービスのコストパフォーマンスの良さがよくわかります。
違いがわかりやすいように、読み放題サービスの中でも料金が高めで本の数も多い「アマゾン Kindle unlimited」で比較してみました。
電子書籍の読み放題サービスのひとつ 「アマゾン Kindle unlimited」 | ネットカフェ(マンガ喫茶) | |
1ヶ月の利用料金 | 980円(税込) | 60,000円(税込) |
本の数 | 12万冊以上 | 1万冊〜10万冊 |
本のジャンル | 雑誌・マンガ・実用書・小説など | マンガ |
電子書籍の読み放題サービスは、1ヶ月の利用料金がネットカフェより圧倒的にお得になっています。
「アマゾン Kindle unlimited」の場合は、本のジャンルも多いため、マンガを読まない人でも十分に楽しめますね。
以上のように電子書籍には、電子データであることのメリットを最大限に生かした、紙の本にはできないお得なサービスが提供されているというわけです。
メリット②|無料のお試し体験ができる
電子書籍の読み放題サービスはいろいろな会社から提供されており、料金やラインナップがそれぞれ違います。
月額380円で250誌以上の「雑誌」が読み放題になる「楽天マガジン」というサービスもあれば、
月額980円で12万冊以上の「雑誌・マンガ・実用書・小説」などが読み放題になる「アマゾン Kindle unlimited」というサービスもあります。
どの読み放題サービスを選べばいいのかと悩む人も多いのですが、そんなときに役立つのが「無料お試し体験」ですね。
ほとんどの読み放題サービスでは、1週間〜1か月ほどの「無料お試し体験」ができます。
無料期間中に解約すればそのまま完全無料です。
例:
雑誌に特化した読み放題サービス・マンガに特化した読み放題サービスなど、いろいろ気になったのでとりあえずいくつか無料お試し体験してみる。
気に入ったサービスが見つかったので、それだけ残して他はすべて無料期間中に解約した。
結果的に1ヶ月のお試し体験中、無料で多くの雑誌・マンガを楽しみつつ、満足できるサービスを見つけることができた。
このように
実際にサービスを使ってみて、今後も利用するかどうかを決められるのは大きなメリットと言えますね。
デメリット|読みたい本が見つからない場合がある
電子書籍の読み放題サービスのデメリットは
読み放題になる本から、自分が読みたい本が見つからない場合があること。
読み放題サービスはいろいろな会社から提供されており、読み放題になる本のラインナップがそれぞれ大きく違います。
マンガに特化したサービス、雑誌に特化したサービス、たくさんのジャンルの本があるサービスなど、いろいろです。
読み放題サービスの中には、配信されているマンガの多くがマイナー作品だったり、人気の作品や新作は読み放題になっていなかったりするサービスもあるため、注意が必要です。
読み放題サービスはそれぞれのラインナップを知った上で選ばないと
「契約したけど読みたい本がなくてほとんど読まなかった、もったいない」と後悔することになりますね。
このような「読み放題サービスとのミスマッチ」が起こらないよう、読み放題サービスの無料のお試し体験をうまく活用しましょう。
ほとんどの読み放題サービスでは、1週間〜1か月ほどの「無料お試し体験」が提供されています。
無料期間中に解約すればそのまま完全無料ですから、お試し期間のうちに
「自分が読みたい本が配信されているかどうか」をしっかりチェックしておきましょう。
まとめ|電子書籍は読書ライフを豊かにする
以上が、電子書籍の10の特徴でした。
- スマホ・タブレット・パソコンなどマルチデバイス対応
- 防水スマホ・タブレットを使えば、お風呂で本が読める
- 紙面や文章が電子デバイス用に最適化されている
- 文章を検索する・コピーする、マーカーを引くなどが簡単にできる
- ダウンロード保存して、オフライン環境でも本が読める
- 書店へ行かなくても、ネットで本を探して買うことできる
- 場所を取らない、重くない、かさばらない
- 文章を音声で読み上げてくれる
- 紙の本よりもお得に購入できる
- 電子書籍が定額で読み放題になるサービスがある
それぞれの特徴のメリット面とデメリット面を知っておけば、初めての電子書籍でもスムーズに読書を楽しめます。
さらに、電子書籍の購入ストアや読み放題サービスを選ぶときも、迷わずに選べるようになるはず。
電子書籍をうまく活用して、読書ライフを豊かにしていきましょう。
最後に、電子書籍の注意点をひとつだけ。
電子書籍を読むということは、スマホ・タブレット・パソコンなどの「液晶画面をずっと見続ける」ということです。
紙の本を読むよりも目が疲れやすいため、照明を明るくしたり、休憩を入れたりしながら、目を気遣いましょう。
電子書籍による目の疲れが気になる人は「電子ペーパー型の電子書籍リーダー」を使ってみるのも良いですね。
電子ペーパーとは、紙のような質感の画面のこと。
それを使った電子書籍リーダーなら、まるで紙の本のような画面で電子書籍を読むことができます。
電子書籍リーダーの種類はいろいろありますが、人気のブランドは2つ。
- Amazonの「Kindleシリーズ」(キンドル)
- 楽天の「KOBOシリーズ」(コボ)
ソニーの「SONY Reader」というのも人気があったのですが、2013年に生産終了してしまいました。
まだ手に入れることもできますが、これから買うなら別の最新機種を選びましょう。
オススメなのは、Amazonの「Kindleシリーズ」
Amazon自体が電子書籍ストアとして最大手でもあるため相性がよく、快適に電子書籍を読めます。
「Kindleシリーズ」の機種は3つあり、いわゆる松竹梅の3グレードになっています。
- 【松】プレミアムモデル:Kindle Oasis(キンドル オアシス)
- 【竹】ミドルモデル:Kindle Paperwhite(キンドル ペーパーホワイト)
- 【梅】エントリーモデル:Kindle(キンドル)
初めての電子書籍リーダーには、エントリーモデルのKindle(キンドル)がオススメです。
1万円以下の価格ながら、4GBの容量なので数千冊の電子書籍が保存できます。
その他にもいろいろ機能がありますが、詳しくはAmazon公式サイトを見てみてくださいね。
上位機種とのわかりやすい比較表もあるため、どれにしようか悩むこともないはずですよ。
以上、
ゼロからわかる電子書籍|10の特徴とメリット・デメリット。利点と欠点を洗い出してわかった紙の本との違いとは
でした。