WEBTOON(ウェブトゥーン)とは
韓国発のデジタルコミック、ウェブコミックの一種です。
- ウェブ公開が前提
- フルカラー
- 縦スクロールで読む
といった特徴があります。
最初は韓国だけで人気でしたが、スマホやパソコンで漫画が読まれるようになるにつれて、国際的に人気が高まっています。
ウェブトゥーンの意味は?
インターネットを意味する Web(ウェブ)と、漫画・アニメを意味する Cartoon(カートゥーン)を組み合わせた合成語です。
ウェブトゥーンは単行本(紙の本)として出版されなかったり、音楽やアニメがついたエピソードが公開される作品もあります。
日本で言うウェブ漫画(インターネットで公開される漫画)とは少し意味合いが違いますね。
ウェブトゥーンはどんな漫画? 3つの特徴
ウェブトゥーンには、通常の漫画とは違う特徴が3つあります。
- ウェブ公開が前提
- フルカラー
- 縦スクロールで読む
順番にご紹介しますね。
ウェブ公開が前提
ウェブトゥーンは、ウェブ上で公開すること=スマホやタブレット、パソコンなどで読まれることを前提として作られます。
とくにスマホの画面(縦長の画面)に最適化された作品が多いです。
これまでの「漫画雑誌・単行本」といった紙媒体の漫画と違って、誌面のスペース内にコマを収める必要がなく、よりダイナミックな表現が可能になっています。
フルカラー
ウェブトゥーンは基本的に、すべてのコマがフルカラーになっています。
通常の漫画のベタ(塗り潰し)やトーン(濃淡や柄など)では表現しきれなかった絵も、ウェブトゥーンでは表現できたりします。
キャラクターも背景もすべてフルカラーなのはもちろん、作品によってはコマの外側(余白部分)にも、色付けされている物もあります。
縦スクロール
ウェブトゥーンは、スマホで読むことに最適化された「縦スクロールの画面構成」です。
通常の漫画のように複数のコマが1ページにまとまっているのではなく、1画面につき1コマ(ワンシーン)です。
縦スクロールですいすい読み進められるように、文字(セリフ)が少なくてシンプルな絵柄の作品が多いです。
また、エピソードが増えても単行本が出版されないことがほとんどです。(紙の本も電子書籍も)
縦スクロール前提の表現を1ページに作り直すのが不可能だったり、大きな労力がかかることが原因でしょうね。
ウェブトゥーンのメリット・デメリット
新しい漫画の形であるウェブトゥーン。
どんなメリット(魅力)やデメリット(欠点)があるのか、まとめてみました。
メリット
ダイナミックな表現の漫画を読める
ウェブトゥーンは基本的に、1画面につき1コマ(ワンシーン)だけ表示されます。
1コマごとに集中して読めるため、通常の漫画よりもストーリーに没頭しやすいです。
また、コマとコマの余白をうまく使って場面転換や時間の経過なども表現されるため、まるでアニメやドラマを観ているかのように読めます。
漫画の世界観をより楽しみながら読める
ウェブトゥーンはすべてのコマがフルカラーなので、物語の世界観を余すことなく楽しめます。
例えば、ファンタジー漫画の世界の風景や、キャラクターが着ている服の装飾が細かいところまで色付けされている、など。
漫画のストーリーはもちろん、フルカラーで描かれる作画そのものを楽しみにしている読者も多いみたいですね。
デメリット
スクロール量がとても多い=何度も指を動かす必要がある
ウェブトゥーンは、ものすごく縦に長い1ページ漫画、とも言えます。
スマホの画面に1コマ(ワンシーン)しか出てこないように作られているため、何度も何度も画面をスクロールする必要があります。
いちいち指を動かすのが面倒になる時もありますね。
パソコンやタブレットでは読みにくい
ウェブトゥーンとして公開される漫画は、ほとんどがスマホの画面(縦長の画面)に最適化されているため、パソコンやタブレットでは読みにくいです。
なぜなら画面の横幅が広くなるほど、1コマの画像も横に広がるから。
横幅が広いPCモニターやタブレットを使った場合、1画面に1コマすら表示しきれないこともあります。
あとで読み返しにくい
個人的に気になった点ですが、ウェブトゥーンは気に入ったシーンをあとで読み返すことが面倒かな、と思います。
通常の漫画であれば、
あの名シーンをもういちど読みたいな。
何巻だったっけ?
↓
(単行本の表紙を見ながら)
そうだ、10巻とか11巻ぐらいの後半ページだった気がする…
といったように、単行本の表紙や、どの辺のページだったかをきっかけにしながら、読みたいシーンにすぐたどり着けたりします。
しかしウェブトゥーンの場合、単行本で発行されることはほとんどないですし、漫画のシーンがページ数で区切られているわけでもありません。
この辺がウェブトゥーンのデメリットでしょうか。
ウェブトゥーンと通常の漫画の違いを比較
ウェブトゥーンと通常の漫画(紙・電子書籍含む)は何が違うのか、かんたんに比較してみました。
※通常の漫画のなかには、少年ジャンプ+で公開される作品のようにウェブでしか読めない作品もあります。
ただし人気が出れば最終的には単行本として出版されたりしますね。
ウェブトゥーン原作のドラマ作品
韓国で人気のウェブトゥーンが韓国ドラマとなり、日本でも人気が出た作品が多いです。
梨泰院クラス(イテウォン クラス)
ヒューマンドラマ ロマンス
韓国のウェブトゥーン『梨泰院クラス』を原作として、2020年にドラマ化。
大都市ソウルの中でもひと際ホットな街で、小さな飲み屋を開店させた前科者の青年とその仲間たち。成功をつかむため、大物相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。
出典:NETFLIX
原作マンガ(ウェブトゥーン)
日本語版は『六本木クラス』というタイトルになっています。
キム秘書はいったい、なぜ?
ラブコメディ
韓国のウェブトゥーン『キム秘書がなぜそうか』を原作として、2018年にドラマ化。
容姿、頭脳共に完璧だが超ナルシストな大企業の副会長・ヨンジュンは、退職したいという秘書・ミソを引き留めるべく、渾身のプロポーズをするも失敗。そんななか、ヨンジュンの兄で人気作家のソンヨンがアメリカから帰国し、ミソにアプローチし始める。
出典:U-NEXT
原作マンガ(ウェブトゥーン)
日本語版は『もう秘書はやめます』というタイトルになっています。
私のIDはカンナム美人
ラブコメディ
韓国のウェブトゥーン『私のIDは江南美人』を原作として、2018年にアニメ化。
幼い頃から容姿のことでいじめを受けていたミレは、大学入学を機に美容整形を決意。ところが、入学した大学で中学校の同級生・ギョンソクと再会してしまう。周囲に昔の顔が知られるのを恐れたミレは、ギョンソクに秘密にしてほしいと頼むが…。
出典:U-NEXT
原作マンガ(ウェブトゥーン)
日本語版は『私は整形美人』というタイトルになっています。
恋はチーズ・イン・ザ・トラップ
韓国のウェブトゥーン『チーズ・イン・ザ・トラップ』を原作として、2016年にドラマ化。(2017年には映画化)
女子大生のホン・ソルは、人気者の先輩ユ・ジョンの裏の顔を見て彼を避けるようになるが、彼はソルに好意を示すようになる。やがて、ソルもジョンを受け入れ交際を開始。そんなある日、ソルの前に現れた若者ペク・イノは「ジョンを信じるな」と警告する。
出典:U-NEXT
ウェブトゥーン原作のアニメ作品
韓国で人気のウェブトゥーンが、日本語化され人気になり、日本でアニメ化された作品が多いです。
NOBLESSE -ノブレス-
ダークファンタジー SF
韓国のウェブトゥーン『ノブレス』を原作として、2020年にアニメ化。
820年もの長い眠りから目覚めた、貴族の守護者“NOBLESSE”であるライジェル。彼は再会した執事であり芸欄高校の理事長を務めるフランケンシュタインにより、生徒として学校へ通うことに。平穏な日々も束の間、彼を中心として物語が大きく動き始める。
出典:U-NEXT
神之塔 -Tower of God-
ファンタジー
韓国のウェブトゥーン『神之塔(かみのとう)』を原作として、2020年にアニメ化。
その「塔」の頂上にはこの世のすべてがあり、塔を登った者はすべてが手に入る…神にだってなれる。そんな伝説の塔へ、星空を見るために登り始めた少女・ラヘルと、彼女を追って塔に挑むことになる少年・夜。それぞれの冒険の先に待ち受ける運命とは。
出典:U-NEXT
ゴッド・オブ・ハイスクール
バトル アクション
韓国のウェブトゥーン『ゴッド・オブ・ハイスクール』を原作として、2020年にアニメ化。
自称”最強の高校生”であるジン・モリはある日、最強の高校生を決める大会”ゴッド・オブ・ハイスクール”へと招待された。その大会に優勝すればどんな願いも叶うという。ジンはあらゆる強敵を倒して、優勝を手にすることはできるのか。
出典:U-NEXT
まとめ
ウェブトゥーンは韓国から世界に広がった新しい漫画コンテンツのため、現時点ではメディア化された作品のほとんどが韓国発です。
今後は日本のウェブトゥーン作品もどんどんドラマ化やアニメ化されていくはず。楽しみですね。
以上、ウェブトゥーンの紹介でした。